社会福祉士は、人気の国家資格です。年に一度実施される試験の合格率は、2018年の第30回が30.2%でした。といっても、前年までとは大きく合格率が違うため油断できません。
社会福祉士の難易度は?他の資格試験と比較して難しい試験なのか?どのくらいの勉強時間で合格できるのかなどについて、調べてみました。
社会福祉士の難易度、合格率は?
まずは、社会福祉士の難易度や合格率がどのくらいか、なぜその難易度なのかについても見ていきましょう。
年度によって差がある難易度
社会福祉士試験は、毎年3~4人に1人は合格者を出している国家試験です。2018年2月に実施された第30回では30.2%の合格率でしたが、その前2回は25%台の合格率が続いています。さらにその前の2回は27%台と1~2年ごとに難易度に差が出ている傾向です。
この流れでいくと、2019年2月に実施される第31回は第30回と同じくらいの難易度になりそうではありますが、その前と同じように少し難しくなる可能性もあります。
といっても、合格率や難易度の傾向に合わせての勉強が功を奏するとは限りません。合格基準を基にしっかり対策をおこなっておくことが大切です。
3~4人に1人は合格している例年を思えば、真面目に勉強していれば合格できる難易度と考えてよいでしょう。
引っ掛け問題が少なかった第30回
第29回の試験に比べると、第30回の社会福祉士試験では合格率が5%近くも上がっています。かなり大きな差ですが、これは引っ掛け問題が少なかったためではないかとみる説もあります。
資格試験にはつきものの引っ掛け問題がなければ、基本に忠実に勉強していれば合格しやすいということです。ただし、今後も同じような出題傾向になるとは限りません。
なるべく過去問に多く当たるようにし、幅広い問題に対応できる力をつけておくことをおすすめします。
出題範囲が広い試験
社会福祉士試験は、介護福祉士や精神保健福祉士の試験に比べると合格率がはるかに低いのが目立っています。その理由として考えられるのは、出題範囲が広いことです。
社会福祉士試験の記述では、18科目におよぶ範囲で出題されます。他の2つの資格試験に比べて断トツです。すべての科目において得点しなければならず、150問中60%以上得点することも合格の条件です。
まんべんなく勉強しなければならないのが苦手な人にとって、勉強している時点で挫折しかねない試験ともいえるでしょう。
社会福祉士は他の資格と比べると難しい?
ここでは、社会福祉士とよく比較されている他の資格と比べて簡単か難しいかについて、口コミを参考に調べてみました。
介護福祉士よりは難易度が高くケアマネよりは低い
他の資格試験と比較して合格率から難易度を判断してみると、社会福祉士試験は介護福祉士や精神保健福祉士よりは難しいと考えられます。
介護福祉士や精神保健福祉士の合格率は60~70%です。これに対して、社会福祉士試験の合格率は25~30%。大きな違いがあることは一目瞭然です。
一方で、ケアマネージャーと比較してみると近いものがあるものの、どちらかといえば20%程度の合格率のケアマネージャーのほうが難易度が高いといってよいでしょう。
社会福祉士試験の受験資格
社会福祉士になるための最短年数は4年です。
引用:教えて!goo
社会福祉士になるには国家試験に合格しなければなりませんが、その受験資格を得るには専門の学習や実習を済ませなければなりません。
最短で4年の期間がかかり、介護福祉士の2年間などと比べると長めに勉強しなければならないことがわかります。
学ぶ期間が長いのに合格率が低いのは意外ですが、それだけ重みのある資格ということでもあります。
実技試験がない分有利?
介護福祉士は実技のほうがやや難しいらしい
引用:教えて!goo
実技が難しいという意見もある介護福祉士に比べると、実技試験のない社会福祉士試験は有利といってもいいかもしれません。記述試験の対策だけをすればいいのは、集中的な勉強をするには楽です。
社会福祉士の合格に必要な勉強時間は?
社会福祉士試験に合格するためにはどのくらいの勉強時間が必要か、口コミを参考に紹介します。
半年間かけて対策する人が多い
社会福祉士の試験を受けるためには、最短で4年間の講義や実習を済ませておかなければなりません。試験を受ける人の多くは、専門学校や短大、大学などに通っている人です。
卒業してから施設で実務経験を積み、国家試験を目指す人もいます。いずれにしても、勉強や仕事をしながらの対策は大変です。そのため、試験直前の半年くらいで集中的に試験対策をする人が多いようです。
2~3ヶ月前から集中対策する人も
勉強時間としては、1日平均5~6時間程度です。
引用:ヤフー知恵袋
忙しくてなかなか勉強時間がとれない、あるいはなかなか試験対策に取り組む気になれなかったという人の中には、2~3ヶ月前から対策を始めたという人もいます。
ただ、1日の勉強時間は5~6時間と長めになっていますから、根気の良さが必要です。
このくらい学習時間をとっても不合格になる可能性もあり、そのときにもっと早くから対策しておけばよかったと後悔しないように早めの対策をスタートしたほうが賢明です。
模試は必須
実際就職には関係のない資格でしたので、勉強は試験前の1週間程度、模試の回答確認でした。
引用:ヤフー知恵袋
大学などで日頃からまじめに勉強していたので、試験対策は直前の1週間前から始めたという人もいます。特例ではあるとはいえ、模試は受けておいたほうがいいとすすめる人が少なくありません。
出題傾向や本番での時間配分を対策するためにも、模試は1回以上は受けておくのが役立つでしょう。
社会福祉士の勉強法はなにがある?
社会福祉士試験に向けてどんな勉強法があるか、紹介します。
独学
社会福祉士の試験は、記述式の試験のみです。実技がない分、独学でも対策しやすくなります。ただ、独学といっても専門機関で学ぶか福祉関連施設で実務経験を積まないと受験資格を得られないことから、独学の範囲は直前の試験対策に限定されているといってよいでしょう。
参考書や過去の問題集などに当たる勉強が中心になり、お金はあまりかからない分サポートは得られないのがデメリットです。
通信講座
通信講座では、要領よく試験対策を行えるのがメリットです。費用も予備校に比べれば安く済み、マンツーマンに近い指導を受けられる通信講座もあります。
自分でやる気を出して勉強に取り組む必要はありますが、一方でマイペースに学習を進められるのもメリットです。通信講座の中には、予備校並みの講義を動画で視聴できるものもあります。
予備校(もしくは通う形態のスクールなど)
予備校では、通信講座と同様に専門知識や最新の試験事情に詳しい講師が関係しているのが特徴です。
通信講座と違って直接目の前で指導を受けられるため、やる気を出すにはあまり苦労しないかもしれません。ただ、最寄りに予備校がなかったり、あっても費用が高くて受講できないという可能性はあります。
まとめ
取得していると就職や転職に役立つ国家資格とはいえ、受験資格を得ることからしてハードルの高い社会福祉士。それだけに、失敗は許されない資格です。
この仕事に就きたいと思ったら、過去の難易度や合格率にとらわれず、効率よく勉強することが大切。そのためには、自分に合った学習方法を見つけるのが先決です。
独学・通信講座・予備校と、試験対策に何が合っているか、よく検討してください。