通関士は特殊な専門職で、その資格試験も簡単とはいえない難易度です。合格率は10%前後と10人に1人程度しか合格していないのが現状です。
通関士の難易度や合格率、他の資格試験と比較した難しさ、合格に必要な勉強時間などについて調べてみました。
通関士の難易度、合格率は?
まずは、通関士の難易度や合格率がどのくらいか、なぜその難易度なのかについても見ていきましょう。
年々上がっている合格率
貿易関連のエキスパートである通関士の試験は、年々合格率が上がっている傾向にあります。バラつきが見られる年もあるものの、7~8%台だった合格率が10%を超えたのは大きな違いです。
受験者数は減少傾向にあり、これも合格率の上昇に関係しているかもしれません。日本と世界の関わりに欠かせない職業だけに、通関士を合格させ続けるためには難易度を変えていく必要もあるのかもしれません。
出題科目をまんべんなく得点する必要
通関士試験では、3科目にわたる出題があります。合格するためには、すべての科目でそれぞれ60%以上の得点を取らなければなりません。
年に一度しか実施されない試験というだけでなく、何度も受験して有利になることはないため、1~2度の受験であきらめてしまう人もいます。一発合格を目指すとなると、余計にプレッシャーが高まることもあるでしょう。
受験資格の制限がない
通関士は国家資格ですが、その割に受験資格に制限がありません。さらに受験料も安いことから、資格取得マニアにも格好のターゲットとなっています。
実は、平成18年度の第40回試験までは通関士試験の合格率は10%を切ることがありませんでした。
本当に仕事に資格を役立てようと思う人に受験してほしかったという理由があるかどうかは定かではありませんが、難易度を高くしなければならない何らかの事情があったのではないでしょうか。
通関士は他の資格と比べると難しい?
ここでは、通関士とよく比較されている他の資格と比べて簡単か難しいかについて、口コミを参考に調べてみました。
貿易実務検定との比較
通関士と同じく貿易の仕事に携わる人に役立つ資格として、貿易実務検定があります。貿易実務検定のレベルはCからA級まで4段階です。
通関士試験より難易度が低いのは貿易実務検定のC級まで。それ以上のレベルに関しては、通関士試験と同等かそれ以上の難易度と考えておいたほうがよいでしょう。
貿易実務検定A級<通関士は定説?
合格率を見ると、通関士がA級の半分以下なので、通関士の方が難易度が高いと思います。
引用:ヤフー知恵袋
口コミを見ていると、多くの人の意見が貿易実務検定の最上級より通関士試験のほうが難しいというところで一致しています。
また、資格としても通関士のほうが格が高いという意見すら目立っています。ただ、資格がどの程度役立つかどうかは就職先によっても異なりますから、安易には比較できません。
貿易実務検定A級=通関士
B級とC級はあまり差がありませんが、トライするなら通関士かA級の方が良いと思います。
引用:ヤフー知恵袋
貿易実務検定級A級と通関士試験の難易度はほぼ同レベルという意見も目立っています。
通関士試験を目指して、貿易実務検定級にもチャレンジする人は多いようですが、C級からステップアップするにしてもB級とA級ではレベルに大きな差があると見られます。
通関士の合格に必要な勉強時間は?
通関士試験に合格するためにはどのくらいの勉強時間が必要か、口コミを参考に紹介します。
通信講座や予備校では約350時間を想定
通関士試験の合格を目指す通信講座や予備校では、大体350時間くらいの学習時間を目安としてカリキュラムを組んでいるとことが多いようです。
350時間というと一日3時間から3時間半勉強しても100日を要します。個人差もあるはずですが、3~4ヶ月で試験対策をしても間に合うと解釈することもできます。
多めに取れば600時間
合格の為の平均学習時間は約600時間と言われています。
引用:ヤフー知恵袋
600時間ほどの学習時間を合格のための目安とする考え方もあります。もちろん、600時間勉強して合格する人もいれば、600時間勉強しても合格できない人もいます。
勉強時間を少しでも多く取るために早めに勉強をスタートするのはおすすめですが、効率よく勉強することも大切です。
10月受験に向けて4月からのスタートが多い
通関士合格の勉強の標準期間は、約6か月が一般です。
引用:ヤフー知恵袋
半年かけて試験対策するというのも定説です。通信講座や予備校によっても、10月の受験に向けて4月開講というところが少なくありません。
1年に一度しか実施されない試験ですから、失敗したときにもっと早くから勉強しておけばよかったと後悔する可能性もあります。それを考えると、1年かけて勉強するのもおすすめではあります。
通関士の勉強法はなにがある?
通関士試験に向けてどんな勉強法があるか、紹介します。
独学
独学は、参考書や問題集などを利用して自分だけでする勉強方法です。お金はあまりかかりませんが、頼りになるのは参考書や自分だけですから、不安になることは多いかもしれません。
通関士試験は1年に一度しかなく、試験内容の傾向がつかみにくいという特徴もあります。その点からも、長年専門的に通関士試験を見てきている人に教わったほうが効率的といえるでしょう。
通信講座
通信講座は、自宅や通勤中など自分の好きな時間に勉強しやすいのがメリットです。しかも、通関士試験を研究しつくした専門家がテキストや講義動画を作っているため、ポイントを押さえた学習ができます。
試験に向けてどのような対策をすればよいか、効率よく学習するにはもってこいの学習法でしょう。
費用は独学よりはかかりますが、予備校よりは安く済むものがほとんどです。
ただし、勉強に取り組む気になるのは自分にかかっていますから、その点では予備校に比べるとデメリットになってしまうこともあります。
最近の通信講座は講義動画が優れているものが多く、予備校に通っているような学習ができるのが特徴です。
予備校(もしくは通う形態のスクールなど)
予備校のメリットは、怠けグセがある人でも通いさえすれば勉強せざるを得ない点です。なかなか勉強する気になれず時間を無駄に過ごしてしまうという人は、予備校で勉強すると効率がよいかもしれません。
予備校には優秀な講師がいますし、通関士試験合格のための攻略法を熱心に研究しています。ただし、予備校の熱気や講義スピードについていけないという人もいるでしょう。その場合は、予備校より通信講座のほうがおすすめです。
予備校は、通信講座より費用が高いところがほとんどです。予備校に通うほどの予算がなく、通信講座を選ぶという人もいます。
その点を考慮すると、講義動画が優れていて、なおかつカリキュラムをこなすのに進行管理をしっかりしてくれる通信講座を選んでみる方法もあります。
まとめ
通関士試験は、難易度が高めの国家試験です。とはいえ、受験して合格すれば就職や転職に大いに役立つでしょう。受験資格がない試験だけに誰でも受験できるのはメリットです。
ただし、誰でも受験できるからといって簡単な試験ではありません。なるべく短期間で効率よく学習し、合格するためには、効果的なナビゲートを得るのもおすすめです。
自分にピッタリな学習方法を見つけて、最短の学習時間で通関士試験合格を目指してみませんか?