転職や就職に役立つ資格は、取得しておくと役立つだけでなく自信にもつながります。

ここでは、人気の通関士の資格について、仕事内容や将来性、給与、やりがい、通関士に向いてる人・向いてない人などを紹介していきます。

通関士を目指している人はもちろん、何か資格を取得したいと検討している人も参考にしてみてください。

 

通関士はどんな資格

 

まずは、通関士がどんな資格なのかについて見ていきましょう。

通関士の特徴をはじめ、資格を取得するメリット、よく比較されやすい他の資格についても紹介します。

通関士の特徴

貿易物流の業界では、貨物の輸出入をするときに必要な許可を受けなければなりません。許可を受けずに輸出入をすれば密輸になる恐れがあり、罰則が科されかねないのです。

例えば、貨物の品名や種類、量の申告が虚偽でないか必要な検査を受けたうえで、関税を収める必要がある場合は決められた税金を収める必要もあります。

こうした輸出入に関する検査や許可、書類の作成などを行うのが通関士です。

通関士になるには国家試験に合格する必要がありますが、通関士試験は誰でも受験できます。

ただし、試験に合格しても独立開業ができないのも通関士の特徴です。

通関業者や商社などに勤務することになり、こうした企業などで実務経験を5年以上積むと通関士試験の科目免除もあります。

通関業に従事している人の約半数が通関士の資格を取得しています。

通関業者は全国各地にありますが、特に多いのが東京と大阪で、次いで港湾のある横浜や神戸、門司などが挙げられます。

通関士試験の合格率は近年平均して10%前後を推移しています。

高いとはいえない合格率で難関試験の一種ですが、合格の条件は3科目5項目について60%以上の得点です。実務経験があれば科目免除もありますし、専門知識があるという意味でも有利でしょう。

通関士の難易度を詳しく知りたい方は「通関士の難易度や合格率と必要な勉強時間」の記事をご覧ください。

取得することによるメリット

通関業者への就職は、通関士の資格を持っていなくてもできます。

しかし、通関士として仕事をするためには資格取得が絶対の条件です。とはいえ、通関士になるには国家試験に合格するだけでは駄目なところが複雑です。

通関士試験に合格したうえで通関業者に就職するか、通関業者に勤務しながら国家試験に合格し、さらに実務経験を積んで従業者講習の修了証を税関に提出することで通関士として登録されます。

こうした過程を経なければデビューできないだけに、通関士の資格は確かな価値を持っています。独立開業こそできないものの、貿易に関わる企業への就職には重宝する資格です。

通関士と比較されやすい資格

通関士と比較されやすい資格には、貿易実務検定や国際航空貨物取扱士があります。

貿易実務検定は民間資格であり、貿易に関する専門知識をC級からA級の3つのレベルで判定するものです。商社や物流、メーカーなどで評価される資格として注目されています。

国際航空貨物取扱士も民間資格で国際的な資格として通用します。世界的にも取得者が少ない資格ですが、試験は全て英語で行われるのが特徴です。

 

通関士の仕事内容は?

 

通関士の資格を取得すると、どのような仕事に就けるのか見ていきましょう。

税関手続きの代行業務

貨物の輸出入をするには税関での申告や検査、許可などを経る必要があります。

これらの手続きを代行するのが通関士です。物流会社や商社、貿易会社、通関業者などに勤務し、通関書類の作成などを行います。

さらに貨物が税関を通過できないなどのトラブルが生じた場合に交渉するのも通関士の役目です。不服申し立てをしたり、手続きの正しさを主張するなど、税関に対して業者の前面に立って交渉します。

船会社や航空会社などへの勤務もあり

通関業者には、運送会社や海運会社、倉庫会社などが挙げられます。

税関への手続きを専門におこなっているため、通関士は必ず必要な業者です。この他、貨物の輸送を行う船会社や航空会社、輸出入を行う商社などに通関士が在籍することもあります。

審査業務

通関士の業務には書類作成もありますが、実は書類作成に関しては通関士として登録する前にも経験できます。

通関士の本領発揮となるのが審査業務です。輸出入する貨物が正しい手続きを経て税関を通過する必要がありますから、そのためにふさわしい貨物かどうかといった審査も必要です。

 

通関士の将来性

 

グローバル化に伴って関税の規制緩和が進められています。

ニュースでもよく話題になっているように、今後も日本の関税の規制緩和は進み、貿易がますます活発になるでしょう。

それにより通関士のニーズが増えることも予測されています。

通関業者では営業所に1名以上の通関士を置くことが義務づけられていますが、業務量が増えるに伴って通関士の人数も増やす可能性が大いにあります。

業務量が増加すると仕事の質が低下するようなリスクも出てきます。通関士として質の高い仕事をするためには、税関に対して適正な申告を行う必要があります。

そのための審査力が問われるのが通関士ですから、より深く広い専門知識を身につけることが大切です。

また、通関業者も通関士を1名以上置いておけばどこも同じというわけではありません。

税関の認定を取った通関士が在籍していることで、税関手続きが簡素化されたりスピーディーに処理されるなどの優遇措置が取られることがあります。

そのためには、コンプライアンスを遵守したり貨物のセキュリティを確保する必要があるのです。厳格に正しい業務を行う通関士がいる通関業者は税関からも信頼が置かれます。

 

通関士の1日の仕事の流れ

 

どこに勤務するかによっても通関士の1日の仕事は違ってきます。

例えば通関業者に勤務した場合は、朝が一般的な企業より早くなるのが特徴です。

税関の開庁時間である8時30分に合わせて、それより30分以上前には出勤する傾向があります。

少しでも早く税関への申告を済ませて許可を得ることが大切です。そのために、毎朝税関の開庁時間には提出する書類を整えておきます。

朝礼などを済ませて税関の開庁時間を迎えたら、専用ソフトを介した輸出入の申告を始めます。さらに、直接税関に出向いて書類を提出することもあります。

書類の原本を提出しなければならないときなどもあり、税関で細かい説明をするなど外出も少なくないのが特徴です。税関で現物検査になったときも通関士が立ち会います。

社内では申告書類の作成や審査を行います。自分で書類を作成する場合もあれば書類作成の担当者が別にいる場合もあり、訂正が必要になった書類は担当者に正しい指示をしなければなりません。

税関の閉庁時間は通常は17時15分です。基本的にはこの時間までに当日の申告を行う必要がありますが、申告作業が済んでも翌日以降の準備が残っているかもしれません。

 

通関士の大変なことや難しいこと

 

憧れの通関士の仕事にも大変なことや難しいことなどがあります。実際に通関士として働いている人はどんな点に苦労しているのか、調べてみました。

一人前になるまでに時間がかかる

通関業者に就職しても、最初のうちは依頼された書類作成をする業務が中心です。

大体数ヶ月間程度の書類作成業務を経て、相応の経験値が付いたと判断されれば審査の仕事へとステップアップできます。

しかし、通関士として税関に登録されないうちは審査の仕事もできないため、税関に登録するための条件として書類作成業務をしなければならないのです。

通関業者などに就職しても、通関士として即戦力にはなれないことに焦りを感じることもあるかもしれません。

業務量が多い

一人前の通関士としてデビューしても、主要港の通関業者に勤務すれば業務量が多くなります。

また、特殊な許可が必要な貨物が多くなる可能性もあり、その際の審査にも慎重に取り組まなければなりません。

輸出入に関する書類は全て通関士が審査するため、ミスや漏れがあると訂正ややり直しとなります。

その合間に、税関を通過できない貨物が出てトラブルとなることもあるかもしれません。経験を積めば積むほど忙しくなるのが通関士の特徴です。

審査ミスをすると周囲に迷惑をかける

通関士にとって審査ミスは許されないことです。正確や書類が作成されているかを審査する立場で税関への最終確認をする役目ですから、通関士がミスをしてしまうと周囲の全てに迷惑がかかってしまいます。

ミスがある度に税関からマイナス点もつけられます。マイナス点が増えれば営業停止処分になるリスクもあるので注意が必要です。

 

通関士のやりがいやどんな人に向いた仕事か

 

通関士として働いて実感できるやりがい、どんな人に向いている仕事なのかについて紹介します。

分析や細かい事務作業が好きな人に適任

通関士の業務は事務作業がほとんどです。コツコツと書類作成や審査を繰り返す中で間違いを出すこともできません。

また、関税に関する法律や過去の事例を参考にしながら輸出入の統計品目番号を振り分けるのも重要な業務です。

とはいえ、倉庫で貨物の確認をしたり貨物を運ぶようなときもあり、ときには体力仕事が待っていることもあります。

貿易や国際取引に興味がある人

通関士の仕事は輸出入に関わる仕事です。貿易に関する法律や税金手続きをするため、法的な手続きはもとより貿易そのものや国際取引に興味がある人には常にやりがいを感じられるはずです。

書類の作成などが多い仕事ではありますが、輸出入の現場で働いていることには違いなく、世界を股にかけた仕事に就いているという実感も得られるでしょう。

通関士に向いてる人

通関士に向いている人は、細かい確認作業などが好きでなおかつミスを出さない人です。ケアレスミスを多く出してしまうのは、通関士にとって致命的です。

また、輸出入する顧客とのコミュニケーションや税関に出向いての対応もあります。身軽に動けたり、トラブルが生じたときに臨機応変に対応する力などもあったほうがよいでしょう。

 

通関士の給与は?

 

通関士として働き始めると、どのくらいの収入を得られるものなのでしょうか。雇用された場合の年収や月収、独立した場合の収入、将来的に伸びはあるのかなどについて調べてみました。

雇用された場合の年収・月収

通関士として働くには、まず通関業者などに就職する必要があります。

どこに勤務するかによっても給与は違ってきますが、一般的な通関業者に就職した場合は新卒の初任給が月平均17~19万円ほどです。

通関士として資格手当が付いた場合は、少し上がって20万円ほどになるかもしれません。

新卒で入社して経験を積んだり実績を作って転職したりすれば、昇給の可能性はあります。

大体、日本人の平均的な年収である400万円くらいは目指すことができるでしょう。もちろん、それ以上に昇給する人もいます。

50代前後で700~900万円くらいの年収に期待することもできます。大手商社などに勤務すれば、さらに高い年収を目指せる可能性も出てくるでしょう。

いずれにしても、地道に実績を積んで昇給の可能性を高めていくことが収入アップの秘訣です。

独立した場合の収入

通関士は独立開業ができない職業です。

法律で決められていることですから止むを得ませんが、独立開業して収入を確保するまでの苦労をする心配も不要な点ではメリットといってもよいでしょう。

将来的な展望

輸出入取引が増えるに従って、通関士の業務量も増えてきています。

また、近年は特殊な貨物の輸出入も増えて、より高度で専門的な知識が求められています。

2014年の時点で8,000名ほどいるとされた通関士ですが、既に人手不足の傾向が出始めているようです。しかし受験者数は減少しつつあるため、今後ますます通関士のニーズが高まる可能性があります。

地道な裏方仕事とはいえ、堅実な職業として通関士は将来的な見込みがあるといえます。企業に就職して働くことを希望している人にとって、またとない職業といってもよいでしょう。

 

まとめ

資格の中では、取得しても独立開業でできないという珍しい資格の通関士。必ず企業に就職しなければ仕事ができないという特徴がありますが、ある意味堅実な仕事の仕方ではあります。

専門的な知識を活かすという意味でも、職業に誇りを持って働ける仕事でもあります。通関士の仕事に興味を持ったら、資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

通関士の勉強を始めようと思った方は「通関士に独学合格する勉強方法」の記事をあわせてご覧ください。

 

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