介護福祉士の資格を取ったら凄そう!と思ったものの、実はどんな仕事が知らないなんてことはありませんか?
ここでは、介護福祉士の資格に興味がある人のために、仕事内容や将来性、年収、仕事のやりがい、向いてる人・向いてない人について紹介します。
介護福祉士はどんな資格?
まずは、介護福祉士がどんな資格なのかを見ていきましょう。介護福祉士の特徴、資格取得によるメリット、比較されやすい資格なども紹介します。
介護福祉士の特徴
介護系の資格はたくさんありますが、その中で唯一の国家資格なのが介護福祉士です。介護の仕事にも現場で直接人の介護に携わる人と間接的にかかわる仕事の人がいます。
介護福祉士は、直接人の介護をおこなう仕事として最上位にある資格といわれています。食事や排せつ、入浴などのお世話をするのはもちろん、サービスの利用者や家族に対して指導や助言をおこなうのも介護福祉士の仕事の一つです。
介護の仕事をスムーズに進めつつ、より良いサービスを提供するには、福祉サービスそのものを改善したり自治体などとの連携も必要になってきます。
そこまで追求した仕事ができるのも介護福祉士の特徴です。介護福祉士の資格を取得するには、2年間の専門的教育過程を得ることが受験資格となります。あるいは450時間の実務者研修を受講・修了するのが条件です。
介護福祉士の資格を取得するメリット
介護福祉士の資格は介護系の最上位にあるため、取得すれば給与面でメリットが得られます。またできる仕事の範囲も広がり、資格を持っていない人に比べて待遇も良くなるでしょう。
さらには、現場で管理職になれる可能性も出てきます。ステップアップとして、介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格取得を目指すことも可能です。
過去には介護実務5年の経験で受験資格を得られたケアマネージャーですが、現在では介護福祉士や社会福祉士などの国家資格を取得するか生活相談員などをして相談援助業務を5年経験しなければ受験資格が得られません。その点、介護福祉士を取得しておけば、無理なくケアマネージャーの資格を目指せるでしょう。
比較されやすい資格
仕事の内容こそ違いますが、介護福祉士とよく比較されやすい福祉系の国家資格として社会福祉士があります。
介護福祉士が要介護者に対する介護サービスを直接提供するのに対して、社会福祉士は支援を必要とする人の相談に乗るのが主な仕事です。
対象は要介護者とは限らず、福祉のサービスを受ける人全般が対象なのも違いです。職場や仕事内容は異なるとはいえ、介護福祉士と社会福祉士の資格を両方持っていると将来的に仕事の可能性は開けてきます。
介護福祉士の仕事内容は?
介護福祉士の資格を取得するとどんな仕事に就けるのか紹介します。
入所型の介護施設で働く
介護福祉士がよく就職する施設に入所型の介護施設があります。要介護者が生活の全てをおこなう施設で、その種類は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付有料老人ホーム、介護サービス付き高齢者向け居住施設など様々です。
介護老人保健施設については入所者が自立した生活に戻ることを支援する施設ですが、他は長期的な入所をする要介護者も多く、介護福祉士には24時間体制の介護が求められます。夜勤も含めて時間を選ばない勤務をしたほうが就職や転職がしやすいでしょう。
居宅型の介護サービス事業所から派遣される
自宅にいながらにして介護サービスを受けたいという人もいます。そのような人に介護を施すのが、居宅型の介護サービス事業所です。
訪問介護の他、通所介護のデイサービスもこれにあたり、特に訪問介護では幅広い雑用業務などもこなします。例えば食事の用意や洗濯、掃除、買い物など要介護者の身の回りのお世話を全般的に担当するのです。
デイサービスではそこまでの生活支援はないものの施設内でレクリエーションやリハビリテーションをおこなうことがあります。
ただし、居宅型の介護サービスでは夜間勤務がないのが共通です。夜勤はできないという場合は、居宅型の介護サービスの仕事をするという選択肢があります。
障碍者向けの施設で働く
介護福祉士というと高齢者の介護をするというイメージが先行しがちですが、実は障碍者向けの施設で働く介護福祉士もいます。
身体介護をはじめ、生活援助やリハビリテーション、レクリエーションなどをおこなうのは同じですが、就労サポートのような自立支援をおこなうのも特徴です。
介護福祉士の将来性
介護福祉士の仕事は、精神的にも体力的にもハードワークです。体力面をサポートするためロボットがサポートに入るような研究も盛んにすすめられています。
しかし、介護福祉士の仕事は要介護者を精神面で支える部分もあります。細やかな心遣いを発揮して要介護者をサポートするには、まだまだAIなどは追い付かないでしょう。
人手不足で外国人労働者を投入することも実現されようとしている業界です。日本語がスムーズに通じて日本の文化を理解し、日本人ならではの微妙な心の動きを理解して動ける介護福祉士は、今後もますます必要とされるはずです。
介護福祉士の1日の仕事の流れ
介護福祉士という同じ資格を持っていても、勤務する場所によっては一日の仕事の流れは違ってきます。
例えば介護付き有料老人ホームで働いている人の場合、朝は朝食の世話から部屋の掃除、入所者の健康チェックなどから始まります。
順番となる入浴介助も一日に何度か担当がまわってくることがあります。日中は洗濯をしたり外出の介助をすることもあるでしょう。
排泄の介助も一日中時間を問わずに訪れます。レクリエーションや身体測定をすることもあり、勤務時間の終わりには次の勤務者への引継ぎをするのが通常です。
訪問介護では事務所と訪問するお宅を行き来することになります。一日に2~3軒の家を訪問する人もいて、訪問先によって仕事内容は違ってきます。
1軒目で食事の準備と介助や入浴介助、2軒目で居宅の掃除と外出介助、3軒目でまた食事の準備と身体介護ということもあるわけです。
いずれの職場でも、小刻みに幅広い仕事に動き回ることになり、一日中まとまった休憩時間がとれないというケースも珍しくありません。
介護福祉士の大変なことや難しいこと
介護福祉士の仕事にも苦労や困難が伴います。どんな面で苦労があるのか、チェックしておきましょう。
給与が改善されにくい
介護福祉士の資格は介護系の資格としては上位資格ですが、一般的な職業や他の系統の国家資格と比べて給与面で恵まれていないと感じる人は少なくありません。ただし、介護系の仕事の中では介護福祉士を取得したことで給与がアップしたという人もいます。
体力がいる
要介護者の入浴介助など介護福祉士の仕事には現場で体力を使うシーンが数多くあります。
腰痛や筋肉痛などに悩まされる人も多く、体力に自信がないとなかなか続けるのは難しいかもしれません。お金をもらいながら体を鍛えることができるとも考えられるので、気持ちの切り替えは大切です。
ストレスがたまりやすい
人の役に立ちたくて就いた介護福祉士の仕事でも、心身が自由にならない要介護者のお世話をしているとストレスがたまってくることもあります。
意思が上手く疎通できなかったり、要介護者に不満をぶつけられてショックを受けることもあるかもしれません。
根気よく仕事にあたることが大切で、毎日の積み重ねがやりがいにつながることを忘れないようにしながら、プライベートで上手くストレスを発散できるといいですね。
介護福祉士のやりがいやどんな人に向いた仕事か
介護福祉士のやりがい、どんな人に向いているのか紹介します。
介護福祉士のやりがい
要介護者にもいろいろな人がいますが、仕事としてやっていることに感謝されたり喜んでもらえるとやりがいにつながります。
またできなかったことができるようになったり、陰ながら人の役に立てたということがストレートにやりがいにつながるはずです。
向いている人
介護福祉士の仕事は、やる気があれば誰にでもできる仕事です。しかし根気があったほうが長く続けていくことができるでしょう。
毎日同じようなことを繰り返す仕事ですが、それを楽しんでいける気の持ち方も大切です。気持ちの切り替えが上手でいつでもフレッシュな気持ちで仕事に取り組めると、あまりストレスをためこまずに済むでしょう。
介護福祉士の給与は?
介護福祉士の給与や将来性なども見ておきましょう。
介護福祉士の年収
介護福祉士の給与は働いている場所によっても違ってきます。入所型の施設で働いている正社員の場合、月収が手取りで15~17万円ほどともいわれています。
年収は250万~400万円ほどが平均です。資格手当が付く職場ならもう少し給与が上がる可能性があります。
ただ訪問介護やデイサービスなどで働く場合は、さらに収入が低くなることもあります。仕事内容や勤務時間、休暇などと給与を兼ね合わせて、体力に負担がかかり過ぎないかなどを検討しながら仕事探しをしましょう。
介護福祉士の収入は今後下がる可能性あり
介護福祉士の仕事は、もっと下位の資格と変わらないともいわれています。近い将来的に大量の外国人労働者が投入され、現状より安い賃金で働いてくれることになったら介護福祉士の給与が下がる可能性はあります。
そんなときのために並行して使えるような資格を取っておくのも一つの手です。例えばステップアップしてケアマネージャーの資格を取ったり、社会福祉士の資格を取っておくのも生き残りの役に立つでしょう。
まとめ
介護の現場では人手が不足していますが、介護福祉士は決して楽な仕事ではありません。
期待できるほどの収入面での見返りを得るのも難しいかもしれませんが、頑張っただけのやりがいは得られる仕事です。体力に自信がある人は、人の役に立てる介護福祉士を目指してみてはいかがでしょうか。