衛生管理者には、一種と二種があります。いずれも年々難易度が上がり、2017年度の合格率は一種が45%、二種が54.9%です。
2人に1人くらいは合格しているものの、合格するのは簡単とは言い切れません。
そこでここでは、他の資格と難易度や合格率を比較したり、合格に必要な勉強時間などについて紹介します。
衛生管理者の難易度、合格率は?
まずは、衛生管理者の難易度がどのくらいか、見ていきましょう。なぜそのくらいの難易度になるのか、合格率も合わせて紹介します。
それほど高くない難易度というのが定説
衛生管理者試験の合格率をチェックしてみると、毎年50%くらいという結果です。
合格率と難易度はイコールではないものの、2人に1人くらいが合格できるなら資格試験としては簡単なほうではないかと考える人が多いようです。
ただし、合格率が高いからといって、あまり勉強しなくても合格できるというわけではありません。また、実は衛生管理者試験の合格率の高さには別の理由があるのです。
受験資格に実務経験が必要
衛生管理者試験を受けるためには、実務経験が必要です。
1年以上の実務経験がないと受験資格すら得られないことから、受験する時点で専門的な知識が付いている人ばかりが試験に挑んでいることがわかります。
これこそが、合格率の高さにつながっています。つまり、衛生管理者試験に不合格になってしまうということは、むしろ職業人として知識不足といってもいいくらいなのです。
毎月受験できる
衛生管理者は、国家資格でありながら毎月2~3回の試験が実施されています。それだけ、実務経験者にチャンスが与えられているわけです。
何度も試験にチャレンジしていれば、合格率も高まるでしょう。実際、衛生管理者試験に一発合格した人は、全体の合格率より割合が少なく4人に1人程度だといいます。
何度も受験しているからこそ、合格率が高くなるというわけです。つまり、難易度もそれほど低くはないと見られます。
衛生管理者は他の資格と比べると難しい?
衛生管理者は、他の資格と比較して難しいかどうか気になりますね。合格率や体験者の意見などから、チェックしてみました。
職業として比較できる資格
衛生管理者は、事業場の労働者数が50名を超える職場に1人以上置かれなければならないと法律で決められています。
一種免許を持っていると全ての業種に対応できますが、二種免許の場合は有害業務を含む業種に対応できません。
衛生管理者は、衛生管理者免許を持っている人以外にも医師や歯科医師、労働衛生コンサルタントなどから選ぶことができます。
他に衛生管理者として働ける資格より取りやすい
衛生管理者を資格として比較できるのは、医師や歯科医師、労働衛生コンサルタントなどです。
これらの資格を取得するには、専門の教育を受けたうえで数年間の実務経験を積まなければなりません。
それに比べれば、専門教育を受けてから1年以上の実務経験を経て受験資格を得られる衛生管理者試験は目指しやすい資格といえるでしょう。
危険物取扱者乙4と比較する人も多い
合格率からすると、乙4は30~40%、第一種衛生管理者は50%程度ですが、乙4はだれでも受けられる試験で、第一種衛生管理者は実務経験が必要な試験なので、これだけで乙4が難しいとは言えません。
引用:ヤフー知恵袋
衛生管理者一種試験に合格してから、あるいはこれから受験を検討しているときに候補に挙がる資格として危険物取扱者乙4があります。
衛生管理者一種免許は有害業務が含まれる業種にも対応しているので、共通点があると考えられています。
危険物取扱者乙4の試験は誰でも受験できますが、衛生管理者試験には実務経験が必要です。そのため、ハードルの高さでは衛生管理者試験のほうが勝っています。
衛生管理者の合格に必要な勉強時間は?
衛生管理者に合格するには、どのくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。実際に勉強した体験者の意見なども、参考にしてみましょう。
1ヶ月間で一発合格
私は1ヶ月くらいの独学で1発合格しました。
引用:ヤフー知恵袋
1ヶ月間の勉強で、一発合格したという人もいます。
どんな人にも当てはまるケースではないとはいえ、受験を目指す時点での学力によってはこのくらいの勉強時間でも間に合う可能性があります。というのも、衛生管理者試験は実務経験がある人を対象としているからです。
100時間が目安
通信講座などでは、100時間を合格までの勉強時間の目安としているところがあります。1日に3時間くらいの勉強を3ヶ月間続けるくらいがいいというわけです。
そのくらいのペースで、合格を目指せるようなカリキュラムが組まれているということでもあるでしょう。勉強時間に余裕をもって、通信講座を利用して勉強してみるのもいいかもしれません。
一夜漬けの人もいる
私は一日でした。興味があった内容なので夢中で勉強しました。気づいたら朝になってた。一発合格。
引用:ヤフー知恵袋
レアなケースですが、一夜漬けで合格したと宣言する人もいます。
ただし、衛生管理者試験を受験するには実務経験が必要で、そもそも前知識がある人が受験を目指しています。既にしっかり知識がついている人であれば、一夜漬けも不可能ではないでしょう。
衛生管理者の勉強法はなにがある?
衛生管理者に合格するにはどんな勉強法があるか、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどについて紹介します。
独学
衛生管理者試験を受験して合格している人の中には、独学で受験対策したという人も少なくありません。
既に専門教育を受けていたり、実務経験で力をつけているベースがあるため、独学でもいけるだろうという見込みがあるのでしょう。
勉強法の中では一番費用を抑えることができる方法ですが、孤独に受験を目指すのは不安になるときがあるものです。この対策でいいのかと迷うときもあり、そんなときにアドバイスをくれる人がいないのはデメリットでしょう。
通信講座
通信講座は、予備校よりは安い費用でマイペースに受験対策ができるのがメリットです。予備校のペースにはついていけないという人にも、通信講座はおすすめです。
学習のサポートがある一方で、予備校ほどのリード力はない通信講座もあり、自分のやる気が試される勉強方法でもあります。効率のよい学習方法は提供してもらえるので、やる気を出せるかどうかが分かれ目です。
予備校(もしくは通う形態のスクールなど)
衛生管理者試験を目指す人は、専門学校や大学などを修了した後に1年以上の実務経験を積む必要があります。そのため、受験のために改めて予備校に通うという人はそれほど多くないでしょう。
仕事をしながら受験を目指す人も多いことから、通学する暇がなく独学や通信講座で復習や試験問題に慣れるための勉強をしている人がほとんどです。
ただ、通学する余裕がある場合は、予備校を検討してみるのも一つの方法です。予備校は通信講座よりも費用がかかりますが、ポイントを押さえて指導してもらえる他、学習意欲を駆り立てるのによいというメリットもあります。
まとめ
衛生管理者試験は、二種を受けて合格した後に一種を受ける人もいます。はじめから一種を受けて、一発合格する人もいます。
既につけた実力を確認し、資格として保持するための試験ですから、過去問題を繰り返し解いたり弱点を克服するための対策が功を奏します。
そんな勉強を効率よくできる方法が見つかると、合格を目指すのも楽になるでしょう。