国家資格である中小企業診断士は、経営コンサルタント力という高度なビジネススキルを示す資格として将来性があります。

幅広い分野の経営に活かせる仕事内容で、資格取得によって給与アップにも期待できるでしょう。すぐにでもスキルを活かすチャンスがあるため、やりがいを感じやすい資格であるのも特徴です。

中小企業診断士に向いてる人や向いてない人についても含めて、くわしく紹介します。

中小企業診断士はどんな資格?

まずは、中小企業診断士とはどんな資格なのかについて見ていきましょう。取得すると得られるメリット、よく比較される他の資格などについても紹介します。

中小企業診断士の特徴

中小企業診断士は、企業の経営資源に関する知識が横断的に得られる資格です。人やお金、物などの経営資源をいかに有効活用できるかがビジネスを成功させるキーポイント。

そんなスキルを持っているのが中小企業診断士という国家資格なのです。他のビジネス系資格と比べると、領域がビジネスという以外特化していないのが特徴で、幅広い企業でのビジネス手腕を発揮することができるでしょう。

中小企業診断士を取得するメリット

中小企業診断士には中小企業という名前こそ付いていますが、日本の企業の大多数が中小企業であることを思えば活躍範囲がいかに広がるかが想像つくでしょう。資格を取得したら、現在の勤務先でビジネススキルを発揮することもできます。

人材育成のために中小企業診断士資格取得者を歓迎している企業も少なくありません。就職や転職の際にも、堂々とアピールできる資格としてメリットがあります。

独立開業して経営手腕を発揮するために、中小企業診断士の資格を役立てるのもよいでしょう。資格がなくても独立開業はできますが、中小企業診断士の資格を得るために学んだことは経営に常に役立ちます。

さらにスキルアップすれば、講演などをおこなう機会も得られるかもしれません。企業に勤めながら週末講演の副業をしたり、専業の講師として活躍する人もいます。人と関わることが欠かせない仕事ですから、人脈がどんどん広がっていくのも中小企業診断士のメリットの一つです。

中小企業診断士とよく比較される資格

中小企業診断士の資格試験では、経済や経営に関する7科目におよぶ出題があります。科目免除される資格として公認会計士や税理士、司法試験合格、不動産鑑定士、技術士、ITストラテジスト、応用技術情報者などが挙げられますが、いずれも非常に難関の資格試験です。

科目免除されるわけではないものの、中小企業診断士の試験範囲に関連する資格もあります。その勉強をすることで、中小企業診断士に合格するためのスキルアップにはなるはずです。

例えば、経済学検定(ERE)や日商簿記毛検定、ビジネス会計検定、経営学検定/マネジメント検定、販売士検定(リテール・マーケティング)、ビジネス実務法務検定、ITパスポートなどの資格は、中小企業診断士の出題範囲にかぶる部分があって役立ちます。

中小企業診断士の仕事内容は?

中小企業診断士の資格を取得すると、中小企業診断士事務所に勤めたり独立開業すると考える人が多いでしょう。具体的には、中小企業診断士がどんな仕事するのかについて、見ていきましょう。

ひと口でいえば経営コンサルタント

経営や経済について全般的なスキルを得ているという証明が中小企業診断士の資格です。経営についてあらゆる知識を持っていることから、企業経営の問題点を探り、解決案を示す経営コンサルタントのような役目を果たすことができます。

企業を現状以上に良くするために何か問題点はないか、その問題点を改善するにはどうすればよいかの答えを導き出して提示するのが中小企業診断士の大まかな仕事内容です。

公的機関での業務も多い

中小企業診断士の資格を活かして活躍できる職場には、企業だけでなく公的機関も含まれます。もともとは、公務員を育成するために作られたという中小企業診断士の資格。

今では圧倒的に企業で活躍する人が多いものの公的業務も全体の3分の1ほどを占めています。特に多い分野が、経営企画や戦略立案、販売・マーケティング、財務などです。

独立開業なら自社の経営に役立つ

経営に関するあらゆるスキルを備えている中小企業診断士は、独立開業にも有利な資格です。

中小企業診断士の資格を持っているから独立開業しやすいということではなく、自社の経営をするうえで成功しやすくなるということです。

経営に関する実務や問題点を知らずに独立開業する人よりは、中小企業診断士を取得している人のほうが様々なハードルを乗り越えて経営手腕を発揮しやすいでしょう。

中小企業診断士の将来性

AIの進化が目覚ましい昨今、近い将来なくなる職業について取り沙汰されることが多くなりました。今ある職業のうち、人がしている多くの職業がロボットに代わるといわれていますが、職業によってはAIがさらに進化しても生き残れるものがあるともいわれています。

AI進化によって生き残れないだろうと見られている職業には、特別の知識やスキルを必要としない仕事があります。要するに誰にでもできる仕事ということです。

それなら安心と思う人もいるかもしれませんが、ある程度専門的な仕事に携わっている人でも油断できません。というのも、データの分析や秩序的・体系的な操作が必要な仕事はAIになり変わられる可能性が大きいからです。

では、中小企業診断士の場合はどうでしょうか。AIの進化後も生き残れる職業として挙げられているのは、芸術や哲学、神学などの抽象的な概念が求められる仕事です。

また協調性や理解力、説得、ネゴシエーション、サービス力などが高く求められる仕事も、まだまだ生き残れるといわれています。

時間の問題ではあるかもしれませんし、中小企業診断士の業務の中にはAIに代わられる分野があるかもしれませんが、完全に中小企業診断士が不要となるのはまだまだ遠い未来のことではないでしょうか。

少なくとも、10年や20年先のことを心配するなら、早めに中小企業診断士の資格を取ってすぐに仕事に活かすのが賢明です。

中小企業診断士の1日の仕事の流れ

中小企業診断士の資格を取っても、働き方によっては中小企業診断士という職業を全面に出して働く人中小企業診断士としての業務以外の仕事も担当する人もいます。

経営コンサルティングをメイン業務として働いている人の一日は、中小企業診断士業務に一日中明け暮れることになります。

午前も午後も担当する企業のヒアリングや調査、分析などをおこない、企業に出向いての打ち合わせやプレゼンなどがある日も少なくありません。

中小企業診断士の大変なことや難しいこと

どんな仕事にも苦労がつきものですが、せっかく中小企業診断士の資格を取ったのに想像外の苦労があるとわかったらガックリしてしまうでしょう。そこであらかじめ、中小企業診断士の大変な部分や難しいことなどについて紹介しておきます。

提案が受け入れられなかったとき

中小企業診断士にとっても、企業の問題点を探し出し改善策を見つけることは簡単なことではありません。

担当する企業についてくまなく調査・分析し、やっと考えた解決策を提案したときに企業から拒否されたら相当のショックです。

もう手はないと感じることもあるかもしれません。そうしたことを乗り越えつつスキルアップしていく仕事でもあります。

依頼を急に断られる

既に仕事を始めている企業から急に依頼を断られることもあります。

何らかの事情があったはずですが、中小企業診断士に依頼できない事情ができたわけではなく他の中小企業診断士に経営コンサルを依頼したというのではプライドが傷つくでしょう。提案が受け入れられなかったとき以上に自信をなくしてしまうかもしれません。

提案した経営改善策に挫折

中小企業診断士が経営改善策を提案しても、実際にそれを実行するのは企業の経営者や幹部・社員です。

改善策に無理があったり企業側に問題をクリアするだけの粘りが足りない場合、挫折してしまうこともあります。担当企業にあきらめられてしまっては中小企業診断士の立場がありません

中小企業診断士のやりがいやどんな人に向いた仕事か

苦労が多い仕事ほどやりがいもあります。中小企業診断士をしていてどんな点にやりがいを感じやすいか、どんな人に向いている仕事なのかを紹介します。

企業の業績向上と目標達成が喜び

中小企業診断士の仕事は、経営に問題を抱えた企業に改善案を提案することです。

提案した内容で担当企業の業績が改善し目標達成となれば自分の業績アップにもなります。中小企業診断士をしていてよかったと、やりがいを感じられる瞬間でもあります。

思いもしなかった出会いもある

中小企業診断士をしていると、とにかく人と出会う機会が多くなります。人との交流が中小企業診断士の仕事でもあり、人脈の広さが仕事に役立つこともあります。人との出会いの素晴らしさが日常的に訪れるのも喜びにつながります。

協調性がある人に向いている

中小企業診断士には、担当企業の調査・分析をするという重要な業務もあります。しかし、調査・分析を経て考え出した改善策を提案するまでが中小企業診断士の業務範囲です。

実際に改善策を実行するのは企業側であり、いかに改善策を受け入れてもらうか、全うして業績を上げてもらえるかが中小企業診断士の役目となります。

すべての過程で必要となってくるのが協調性です。また企業から信頼を素早く得ることも求められるようです。

中小企業診断士の給与は?

資格を取得して中小企業診断士になったからには、前職よりも給与アップしたいところです。中小企業診断士の年収や月収、独立した場合の収入、将来的な展望などについて紹介します。

500万円以内が3分の1

中小企業診断士として働いたときの年収が500万円以内の人が約3分の1を占めているのが現状です。ただし、平成23年度と平成28年度で比較してみると、その割合は減りつつあります。

逆に多くなっているのが、800万円から1,500万円の年収の人です。中小企業診断士という職業が認知されるようになってきていることも反映されていそうです。

500万円から800万円の年収は安定

比較的安定した年収を示しているのが500万円から800万円の年収の人です。ただし、この調査では独立開業した人も企業に雇用されている人も分けずに統計しているため、人によってバラつきがあることは否めないでしょう。

500万円から800万円の年収の人は約20%いますが、一般的な年収と比較してみるとこのレベルは高いほうではないでしょうか。

将来的な展望

中小企業診断士の収入は、民間企業を担当するほうが見込みが高くなります。顧問契約で安定した収入を得ることも可能ですが、より多くの企業の案件を担当してスキルを磨けば、さらなる収入アップも目指せます。

また、独立している場合は公的機関と民間企業の両方から仕事を得られるように顔を売っておくことで、仕事にあぶれる心配も少なくなってくるでしょう。

まとめ

中小企業診断士は、経営コンサルタント業務に関わる唯一の国家資格です。企業に勤めても独立開業しても役立つ資格であり、公的機関でも求められます。

難関の資格ですが、取得すれば収入アップに期待でき、長く使えるスキルとなるはずです。

 

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