宅地建物取引士は、不動産取引における法的な説明をする専門家です。その資格は国家資格であり、難易度も人気も高い職業です。

不動産取引がある限り必要な仕事ですから将来性もあり、スペシャリストとしての給与にも期待できます。

ここでは、宅地建物取引士のやりがいや向いてる人・向いてない人についても含めて紹介します。

宅地建物取引士はどんな資格?

まずは、宅地建物取引士とはどんな資格なのかについて見ていきましょう。取得すると得られるメリット、よく比較される他の資格などについても紹介します。

宅地建物取引士の特徴

宅地建物取引士は不動産取引に関係する国家資格で非常に人気の高い資格です。賃貸でも売買でも、不動産取引が発生するときには法的な知識を持って重要事項を顧客に説明しなければなりません。

その説明をおこなうのが宅地建物取引士で、不動産会社のみならず金融機関で不動産の担保価値を評価するときにも宅地建物取引士が登場します。活躍の場が多く、社会的地位も高い職業だといってよいでしょう。

宅地建物取引士を取得するメリット

宅地建物取引士の試験は、難関でありながら非常に多くの人が受験します。理由の一つとして受験資格の制限がない国家資格ということがありますが、それ以上に持っていると得な資格というイメージの定着があるのでしょう。

実際に、宅地建物取引士の活躍の場は途切れることがありません。不動産取引がおこなわれる場には必ず宅地建物取引士が必要ですし、それは金融業界や保険業界にまでおよびます。

宅地建物取引士の資格を取得していることによって、特別手当が出る会社もあります。独立開業しやすい職業であるのもメリットです。

実際の業務には単純な作業も多い割に資格保持者を置かなければならない法があるため、未経験者が転職しても重視されやすい資格である点の有利に働きます。

宅地建物取引士とよく比較される資格

宅地建物取引士とよく比較される資格として、マンション理管士があります。不動産に関する専門的な知識が求められるという点でも迷うのは当然かもしれません。

合格率の点でいえば、マンション管理士は10%に満たない程度、宅地建物取引士は15%程度と若干宅地建物取引士のほうが易しいとも考えられます。

他に、宅地建物取引士と比較されやすい資格としてファイナンシャルプランナーがあります。必ずしも同じ業務範囲とは言い難い資格ですが、難易度は同じことからどちらを目指そうかと迷う人は少なくありません。

宅地建物取引士の仕事内容は?

宅地建物取引士の資格を取得すると、宅地建物取引士事務所に勤めたり独立開業すると考える人が多いでしょう。具体的には、宅地建物取引士がどんな仕事するのかについて、見ていきましょう。

独占業務がある

法律上、宅地建物取引士保持者しかできない業務があります。資格を持っていない人がおこなうと法律違反になってしまいますから、関連業務をおこなう事業所では宅地建物取引士を置かなければならないのです。

その独占業務とは、不動産に関する重要事項説明書面への記名と押印です。他にも重要事項説明書面の内容の説明や37条書面(契約書面)への記名と押印は宅地建物取引士がおこなう必要があります。

宅地建物の円滑な取引に助力する

独占業務だけが宅地建物取引士の出番ではありません。他にも宅地建物取引士に課されている仕事として宅地建物の円滑な取引に助力することが挙げられます。

宅地や建物が取引されるときには、紛争が発生しかねないこともよくあります。様々な業者が関係しており、それぞれの異なる思惑があるのです。これらを上手く連携させて円滑に事が運ぶように動くのも宅地建物取引士の役目の一つです。

働く職場によって業務内容も違ってくる

宅地建物取引士の資格を活かせる職場にいても、不動産のようにメイン業務が宅地建物の取り扱いというわけではない業種もあります。

例えば金融関係や駐車場関係、建築関係などでも宅地建物取引士の資格を活かせる場がありますが、他の業務と兼任しているケースは少なくありません。その場合は、他の業務のスキルも高めていく必要が出てきます。

宅地建物取引士の将来性

実は、現在よりさらに進化したAIが一般社会に普及したらなくなるであろう職業のランキングに不動産仲介売買取引業が含まれています。

それも高い位置に挙がっていて、不動産関係に働いている人にはショックだったかもしれません。しかしだからといって不動産取引業の全てがなくなってしまうとは限りません。

現状でも既に機械化などによって不動産取引の一部の業務は失われてきており、それは他の業種にも発生し始めていることです。物件のマッチングのような分析業務に関しては、将来的に完全にAIに座を奪われてしまうかもしれません。

しかし、国家資格である宅地建物取引士の仕事をAIに任せるかどうかというのは、法律的な問題にもなってくるでしょう。というのも、宅地建物取引士には独占業務があるからです。

資格を保持している人が書類の説明をしたり記名・押印しなければ不動産取引は成立しません。また、宅地建物取引士には人との交渉力が求められる業務もあります。

こうした業務はAIには難しいといわれていますから、将来的に宅地建物取引士がAIに乗っ取られる時代はそう簡単にはやってこないのではないでしょうか。

宅地建物取引士の1日の仕事の流れ

宅地建物取引士の一日は、デスクワークのみで完結するとは限りません。早朝から土地を売却したいという相談者を訪問して土地を見てきたり、役所の各部署をまわってきたり、やっとのことで会社に戻ったら仲介業務が待っていたりします。

それを終えても来客があったり、メールチェックや書類の作成などがあり、一日休む間もないというのが宅地建物取引士の仕事です。

効率よく仕事を済ませて残業づくめを避けるためには、スケジュール管理も重要になってきそうです。

宅地建物取引士の大変なことや難しいこと

どんな仕事にも苦労がつきものですが、せっかく宅地建物取引士の資格を取ったのに想像外の苦労があるとわかったらガックリしてしまうでしょう。そこであらかじめ、宅地建物取引士の大変な部分や難しいことなどについて紹介しておきます。

トラブル対処に応じることもある

宅地建物取引士は、ときに物件の管理をすることもあります。

入居中の賃貸物件に例えば水道トラブルが出たときなど、水道屋が来る前にとにかく誰か来るようにといわれたら管理者である宅地建物取引士が出向かなければならないときもあるのです。

クレームを起こさないためには、こうした細かい雑用もこなさなければなりません。

複雑なクレームに発展してしまうことも

クレームが生じて法的にも複雑な問題に発展してしまうことがあります。相手が法律に詳しくても逆に詳しくなくても厄介です。

裁判に発展したケースも把握しながら、問題に対処していく精神力や体力が欠かせません。

景気に反映される

宅地建物取引士という職業が完全になくなる恐れこそないものの、景気によっては不動産の動き方が違ってきます。

景気がいいときには不動産がよく取引されますが、景気が悪いときには取引が少なく宅地建物取引士の出番も少なくなってくるでしょう。

そんなときこそ、独自のスキルを発揮して不動産の相談に乗れるようになっておくといいかもしれません。

宅地建物取引士のやりがいやどんな人に向いた仕事か

苦労が多い仕事ほどやりがいもあります。宅地建物取引士をしていてどんな点にやりがいを感じやすいか、どんな人に向いている仕事なのかを紹介します。

人の暮らしや財産に大きな影響を与える

不動産を取り扱う宅地建物取引士は、人の暮らしに大きな影響を与える仕事をしています。賃貸物件を借りるにしても、借りる人にとってはこれからしばらく住むことになる重要な拠点です。

ミスがあってトラブルが発生しては困りますし、問題なく住んでもらうことが目立たなくてもやりがいであるはずです。

土地や建物を売買する場合にはもっと大きな取引となります。売買する人にとっては、人生最大にもなり得る大きな取引となるでしょう。

売りたい側にも買いたい側にもなるべくメリットがあるような手助けをしてあげられると、宅地建物取引士のやりがいにつながります。

顧客との信頼関係が築けたとき

良い取引や手助けが出来たとき、宅地建物取引士と顧客との間に信頼関係が生まれることがあります。そんなとき、宅地建物取引士をしていてよかったと感じることでしょう。

また、不動産取引に関係する各業者との連携が上手くいくかどうかも、宅地建物取引士の腕にかかっています。

宅地建物取引士の給与は?

資格を取得して宅地建物取引士になったからには、前職よりも給与アップしたいところです。宅地建物取引士の年収や月収、独立した場合の収入、将来的な展望などについて紹介します。

雇用される場合の年収・月収

宅地建物取引士の資格を保持していると、企業に勤めている人の場合は特別手当が出るようなこともあります。

ただし、同じ事業所に複数名の宅地建物取引士保持者がいる場合もあり、企業の規模によっては一般年収とあまり変わりないところもあります。

そのため、宅地建物取引士の平均年収は320万円から540万円と幅が広くなっているのが特徴です。もちろん長く勤務していれば年収はアップしてくるでしょうし、会社が取り扱っている不動産や顧客によっても給与に影響が出てきます。

独立した場合の収入

独立開業して、顧客の開拓次第で収入を上げるという方法もあります。例えば、富裕層向けんの不動産コンサルタント業務をおこなえば、収入はグンと期待できるでしょう。

不動産の仲介をすれば売買金額の3%は売主と買主それぞれからもらえるため、2,000万円の物件でも130万円ほどの収入になります。

このような仕事を毎月担当できれば、独立した年収としては1,500万円を超えるなかなかのものとなるでしょう。

将来的な展望

景気に左右されやすい宅地建物取引士の仕事は、景気がどん底になったときが心配です。だからこそ、景気が良いときに稼いでおき、景気が悪くなったときにはすぐに実にならなくても営業活動に時間を費やすといいかもしれません。

コンサルティング業務が将来的に役立つことを見込んでも、交渉力やコミュニケーション力がモノをいう営業活動は役立つでしょう。

まとめ

国家資格として人気の高い宅地建物取引士は難関の資格の一つです。士業として格が付く資格でもあり、持っていると就職や転職、開業にも役立ちます。

向いている、やりがいがありそうと感じたら、宅地建物取引士試験の突破を目指してみませんか?

 

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