建設業界の経理部門で活躍できる資格、建設業経理士2級。その2級取得は、日商簿記検定2級に匹敵するくらいの難易度だといわれています。
簡単ではないものの、真面目に勉強すればそれほど難関ではないという説もあります。年に2回実施される試験の合格率にはムラがありますが、40%前後が平均でしょうか。
ここでは、建設業経理士2級を他の資格と比較して難しいか、合格に必要な勉強時間なども合わせて解説します。
建設業経理士2級の難易度、合格率は?
まずは、建設業経理士2級の難易度がどのくらいか、見ていきましょう。なぜそのくらいの難易度になるのか、合格率も合わせて紹介します。
年々増加傾向にある受験者数
建設業経理士2級は、建設業界の経理部門という特化したジャンルの資格ながらも年々少しずつ受験者が増える傾向にあります。
就職難やシニアの再就職問題がある中、とにかく資格を取っておこうとする人が増えているのかもしれません。
合格率はというと、第23回(平成30年3月実施)では44.7%ですが、第22回(平成29年9月実施)では37.2%というように毎回開きがあります。
毎回、3人に1人程度は合格していることから、それほど低い合格率とはいえないでしょう。
2級までの合格者は合計20万名以上
共通する部分が多いという日商簿記検定も2級までの取得者が多いように、建設業経理士も2級までの取得者は20万名を超えています。
一方、1級取得者は2級取得者の10分の1程度です。このことから、建設業経理士は2級まではとりあえず受けてみようという人が多く、職場で資格取得を命じられる人も多い資格だと窺えます。
3級の試験を受けた勢いに乗って、2級まで目指すことも可能です。
受験資格に制限がない
建設業経理士2級は、受験資格に制限がない資格です。1級から4級まで、建設業経理士試験全てに受験資格の制限はないのですが、職場で重宝されるのは2級以上です。
とはいえ、1級の難易度はグンと上がるため、2級の受験者数は非常に多くなっています。
それでも合格率が高めということは、難関といわれる資格の中では難易度が低いほうだと解釈してもよいでしょう。
建設業経理士2級は他の資格と比べると難しい?
建設業経理士2級は、他の資格と比較して難しいかどうか気になりますね。合格率や体験者の意見などから、チェックしてみました。
日商簿記検定に共通する部分が多い資格
難易度からいうと日商1級 > 建設業経理士1級(3科目) > 日商2級 > 建設業経理士2級 > 日商3級 > 建設業経理士3級になるかと思います。
引用:ヤフー知恵袋
建設業経理士2級は、日商簿記検定2級に共通する部分が多い資格だといわれています。また、実務では商業簿記に似ている部分が多いと感じる人もいるようです。
このことから、日商簿記検定とよく比較される建設業経理士検定。どちらかといえば、日商簿記検定のほうが難しいという意見も多く、日商簿記2級を持っている人なら建設業経理士2級に合格するのは難しくないだろうともいわれています。
日商簿記2級取得者が受験することも多い
建設業経理士2級は、日商2級合格後なので、とても簡単に感じられました。
引用:ヤフー知恵袋
すでに日商簿記検定2級を持っている人が、建設業経理士2級を目指すことも少なくありません。職場で資格取得が推奨されたり、何か他の資格をと検討した人が日商簿記に近い建設業経理士2級を選ぶケースも多いようです。
ステップアップ式に受験すると対策しやすい
簿記の知識が全くないので、まずネットスクールの3級建設業経理事務士のテキストを購入して、DVDを見ながら一通り勉強しました。
引用:ヤフー知恵袋
建設業経理士検定には、4級から1級までのレベルがあります。初めて受験する人が2級に挑戦するよりも、3級から挑戦する人が多いのは日商簿記検定と似ています。
もちろん2級からチャレンジするのもありですが、自信がない場合は3級あたりからステップアップして自信をつけていくのも一つの方法です。
建設業経理士2級の合格に必要な勉強時間は?
建設業経理士2級に合格するには、どのくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。実際に勉強した体験者の意見なども、参考にしてみましょう。
日商簿記検定保持者とゼロからの勉強は違う
建設業経理士2級取得を目指す通信講座には、日商簿記3級の勉強から始めて建設業経理士2級を目指すカリキュラムとなっているところがあります。
内容が共通するからこそのカリキュラムですが、この場合は学習を修了するのに4~5ヶ月かかる計算です。ゼロからチャレンジするなら、半年間毎日2~3時間程度の勉強ができるくらいの時間は確保しておいたほうがよいでしょう。
一方、すでに日商簿記検定3級程度の知識を持っているのであれば、もう少し短めの学習時間でも受験対策ができそうです。3ヶ月程度、100時間くらいの時間を確保しておけば、効率よく学習することで合格を目指せるでしょう。
何度挑戦しても落ちてしまうのは学習法が非効率?
22回の建設業経理士2級の試験またまた落ちました・・・。まさかまさかの3回目でも落ちるなんて
引用:ヤフー知恵袋
何度も受験しては、不合格になってしまっている人もいます。自己反省もしているものの、やはり非効率な学習法を続けてしまっている人が多いようです。
短期間でできれば一発合格するには、効率の良い学習法をすることが重要です。そのためには、独学はあまり適していないかもしれません。
いつから受験対策するかによっても差が出る
1月中旬から勉強に取り掛かりました。本当は3月試験(19回試験)を受けるつもりでしたが明らかに勉強不足でしたので、19回試験を棄権して、今回(20回試験)に挑みました。
引用:ヤフー知恵袋
建設業経理士2級検定は、年に2回実施されています。
1~2ヶ月後に実施される試験を受けようと勉強し始めたものの、明らかに準備不足で次の試験まで半年勉強することになり、8ヶ月ほどの学習時間を費やす人もいます。
早めに対策を始めるのはおすすめですが、タイミングよく受験日を迎えられるかどうかには個人差があります。
建設業経理士2級の勉強法はなにがある?
建設業経理士2級に合格するにはどんな勉強法があるか、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどについて紹介します。
独学は最短合格を目指す人に向かない
独学は、ペースも勉強したいところも自分で自由に選べるのがメリットです。ただ、誰もが自分だけで学力を客観視して弱点を克服したり、スケジュール管理をできるとは限りません。
むしろ、偏った勉強法になりやすいのが独学のデメリットです。一生かけてもいいというくらいであれば、独学で目指すのもよいでしょう。
しかし、最短コースで合格を目指したいのであれば、他の勉強方法を検討してみたほうがいいかもしれません。
通信講座
通信講座では、講座のサポートを得ながらマイペースに学習を進められます。
独学に近い勉強方法とはいえ、効率の良い学習方法を教えてもらえたり、いざというときに疑問点の解決をフォローしてもらえるのが頼りです。
デメリットとしては、勉強に取り掛かる意欲を出すのは自分自身であること、講座を受講するのにお金がかかることなどが挙げられます。
予備校(もしくは通う形態のスクールなど)
予備校に通うと、嫌でも勉強に集中しなければならない時間ができます。
なかなか勉強に手をつけられないという人は、スクールのカリキュラムに従っていさえすればそれなりの勉強ができる予備校が向いているでしょう。
ただ、通信講座よりも費用がかかり、講義についていけない可能性がある点は注意する必要があります。
まとめ
建設業経理士2級は、関連する業種では重宝される資格です。
超難関といわれるほど難しくはなく、真面目に勉強したなりの成果が出やすい試験であることから、勉強法を慎重に検討して目指してみてはいかがでしょうか。